▼イヌ伝説
犬神ではなくイヌ神についてでございます。
人間にとりつくと言われている動物霊には、キツネ・イヌ神・猫・タヌキ・蛇・猿などが挙げられるが、中でも代表的なものがキツネとイヌ神である。
イヌ神とは聞き慣れない言葉ではあるが、イヌの神という意味ではなく、和名で「ジネズミ」と呼ばれるネズミの一種のことである。身体の大きさは6cmから8cm程度で、日本と韓国の済州島(さいしゅうとう)だけに住んでいる、下等なほ乳類である。
イヌ神伝説は全国的に見て山陰地方や四国に多く存在し、イヌ神・・すなわちネズミの霊が、人間にとりつくことがある、と古来から言い伝えられている。
ある村ではイヌ神スジの家が何軒か存在し・・イヌ神スジとは、昔から「家系的にイヌ神持ちだ」、と言われている家のことで、イヌ神スジの家から奥さんをもらうと、その家もイヌ神スジになってしまうとか、イヌ神スジの家の者を怒らせるとイヌ神に祟(たた)られる、あるいは、イヌ神スジの家の前を通る時には、胸に針を刺しておかないと、とりつかれる・・などと言われている。
イヌ神に限らず、何かの動物霊にとりつかれた場合は、その人を殴ったり蹴ったり煙でいぶしたりすると動物霊が落ちると信じられている地方もあり、実際村人たちがそのような考え方をしていたために、悲劇に発展した事件も過去には存在する。
例えば1969年9月7日、秋田県由利郡で、自分のおばあさん(73歳)がキツネにとりつかれたと思いこみ、52歳の長男を始めとして家族や親戚がよってたかっておばあさんを殴り、蹴り、噛みついたりしてリンチ殺人のような形でおばあさんを殺害してしまった事件があった。(朝日新聞・1969年9月8日)
また、1970年12月8日、青森県津軽郡で、イタコのお告げを信じた47歳の母親が、18歳になる自分の息子に乗り移った悪霊を追い出そうとして、父親や妹などと一緒に息子に暴行を加え、そのまま子供を殺してしまった事件もあった。(毎日新聞・1970年12月9日)
これらは一例であるが、古来から多くの場合、動物霊を追い出そうとして、例え当事者を責め殺してしまったとしても、「ここまでやっても動物霊は落ちなかったか。」と、いう考え方の方が強く、罪悪感を感じていない場合も多くあるようである。
北野誠さんの『おまえら行くな 異界探訪編』
シリーズ5作目にも面白い話がある。
ここでいう犬神とは、犬を首だけ出して生き埋めにし、飢えさせ、その眼前に餌を置く。食べたい餌が眼の前にあるのに食べられない、その狂乱状態の犬を殺しておこなう呪いの蠱術。その犬神である。
誠は西浦和也(本書の準レギュラー。誠のこっち方面の仕事仲間)と共通の友人であるIT会社社長A君から彼の彼女にまつわるこんな話を聞く。別の女性と浮気をしていることがバレたA君は、彼女からこんなことを云われたというのだ。
「あなたは誰のおかけで、こんなに仕事がちゃんできてると思ってるの?」
「私と付き合っているからやねんで! あなたはわたしの力をわかっていないでしょう!」
不審に思った誠はその彼女のことを尋ねるうち、彼女の実家が四国のS市と聞いて思い当たる。
「まさかと思うけど、おまえ、その彼女、もしや犬神か?」
後日、A君から電話が入る。
「誠さん、犬神の首切る儀式の話、彼女に聞いたんですよ」
「おまえ、そんなん彼女に聞いたんか!」
「犬の首は見たことないけど、他の動物で首をはねているのは家で見たことがある」のだと。
「ほんまの犬神やん!」
別れるか、結婚するかどっちかにしろ。A君を心配して、誠は説得する。が、A君は決められない。それならと、京都の天津神社に西浦和也と三人で行くことにする。誠が休業を余儀なくされた頃、心の支えになった神社である。そこのおみくじが恐ろしいほど、よく当たるのだ。
だが、待ち合わせの時間を過ぎても、A君と西浦和也が天津神社にあらわれない。京都駅に着いた彼らから「今からタクシーに乗ります」と連絡はあった。道筋は単純な上に西浦は誠と何度もここを訪れている。迷うはずはないのにだ。
事前に今回の訪問について、相談を受けていた天津神社のS氏は云う。
「誠さん、あと十分経ってもこなかったら、これはもう私の手に負えないですよ」
犬神が邪魔をしているのではないかというのだ。「ここには行かさない」と。
「ごめんね、誠さん。もう無理やわ。私、結界張るから。もうしょうがない」
邪魔されているのに無理に入ってきたら、どんなことになるか予想もつかないからだ。
それでも、タイムリミット前にA君は到着する。理由を聞けば、タクシーの運転手がありえない間違え方をした挙げ句、こんなことを云ったという。「道がわからなくなってしまいました。大体近いと思うんで、悪いですけどここで降りてもらえますか」 その運転手、操られている。
それでもなんとか来れたのだからと、A君と誠はおみくじを引く。A君には「あなたは云ってることとやってることがバラバラ」「ちゃんとしないと、えらい目に遭うよ」という警告の卦が。そして誠が引いたおみくじのお告げは、「その彼女と関わるな」。
A君と別れた誠にS氏が解説する。「Aさんとは今後も関わっていいけど、その彼女とだけは会っては絶対なりません。万が一、Aさんが彼女と別れたとき、誠さんの助言で別れたということになったら、誠さんに蠱毒はやってきますよ」
さらにS氏は云う。今後、彼女はあなたに会いたいと必ず云ってくるでしょう。A君に犬神の知識を与え、彼女自身もかなり気になっているはずですから。
以来、A君との接触を避けていた誠だったが、西浦との怪談語りの有料配信をIT会社社長であるA君自ら持ちかけてくる。その打ち合わせでA君と会うことになり、イヤな予感にかられた誠は西浦和也を呼ぶ。だが、その西浦が突然の病に倒れる! イヤな予感が確信に変わり、誠はA君にメールを送る。
「お前、まさかとは思うけど、彼女を連れてくる気やないやろな?」
それにA君は、こんな返信をよこす。
「えへへ。それはナイショです」
あかん! こいつ絶対連れてくるわ!
かくして、北野誠は犬神の彼女と対決することになるのだが……あとは読んでみてください!めちゃくちゃ面白いです!
この記事は一部きりんツールのAIによる自動生成機能で作成されました
もしブログを今からはじめる方ライバルに差をつけたい方は是非活用ください!!
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